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OPINION「株式会社しまばら創生 代表取締役 平元洋」

「農業で島原を元気にしたい」
島原市の人口は年間約1%程度減少しています。
私が地元の三会小学校で学んだ時期は一学年80人以上いて2クラスになるのか、はたまた3クラスになるのかといった話題で盛り上がったものです。
しかし、今年の4月に母校に入学した新一年生はその当時の半分、40人程度だそうで、少子高齢化は加速している事を感じます。

また、高校卒業した後は市外に進学・就職する人が大多数で地元に残る事ができる人は僅かです。
やはり島原には、「働く場所が少ない」という問題が人口減少に拍車をかけているように感じます。
最近では、高島界隈に出かけても人通りは少なく、20数年前に浴衣を着た観光客で賑わっていた日々が懐かしく思い出されます。

話は変わりますが、現在、世界人口は76億人程度まで増え、2050年には100億人に迫ると予想されています。それに伴い将来的な食糧不足が予想され、専門家によると食料の供給は現在よりも70%程度の増産が必要だと言われています。
一方国内に目を向けると、2050年には約1億人程度まで人口は減少します。
農業従事者についてもここ10年で最盛期の7割まで減少しており、そのうちの7割が65歳以上で構成されており、農業分野の高齢化も非常に進んでおります。
「九州の胃袋」島原にいると、農業従事者が減少している実感はあまりありませんが、島原も例外ではなく、農業(食料)を取り巻く環境は今後深刻化していく事は間違いないように思います。

このような問題を踏まえ、「地元への貢献」、「雇用の創生」、「新しいことへの挑戦」をキーワードに2016年9月に起業、株式会社しまばら創生を設立しました。
設立に際し、妹夫婦にも島原に移住して手伝ってもらっています。
他に両親や社員1名、パートタイマー3名で日々頑張っています。
現在、約3ヘクタールの農地で生姜やサツマイモなどを栽培しつつ、自社生産したサツマイモを使った干し芋や、島原半島の美味しい果物を使ったドライフルーツなどを製造しています。
加工品については、小さい子どもさんにも安心安全な無添加・無着色にこだわって作っております。
しかし、果物を切ったりするのはほとんど手作業で、もの凄く時間と手間がかかり、その後30時間ほど乾燥に時間を要するものもありますので、量産が非常に難しい商品です。
それでも、食べていただいた人の「美味しい!」の声の為に頑張っています。
今現在、福岡の「DEAN&DELUCA」さんや、長崎市の出島にある「いろはや」さん等で販売していますが、営業できる時間も限られており、取り扱っていただいているところはまだまだ多くはありません。

干し芋とドライフルーツは島原市の特産品「スペシャルクオリティ」にも認定いただいております。
今年は更に長崎県の農産加工特産品「長崎四季畑」にも認定いただけるように社員一丸となって頑張ってまいりますし、もっともっとたくさんの方の「美味しい!」が聞けるように、取り扱っていただくところを増やしていきたいと考えています。

以前お会いした大阪出身の50代の女性は、「長崎に嫁いで島原の野菜の美味しさに惚れ込み、主人が亡くなった後も、島原の野菜から離れられずに、長崎に永住を決めた。」とおっしゃっていました。
島原は良質の土や気候に恵まれており、島原産の野菜や果物は本当に美味しいと思います。
弊社の干し芋やドライフルーツを通じて引き続き島原の野菜や果物の魅力を発信し、地元島原を元気にしていきたいと考えています。

さつまいもの収穫 干し芋加工(手作業で丁寧に乾燥機に並べます)

1.弊社は加工の受託も行います。
カット野菜、乾燥、製粉ができます。島原の美味しい野菜や果物を使った商品作りを一緒にしてみませんか?
2.トラクター等の農業機械が不足しています。
不要になったトラクター等があれば、ご連絡ください。
お知らせとお願い
連絡先 0957-61-1831

平 元洋(ひら・もとひろ)
プロフィール
1976年(昭和51年)島原市生まれ。
島原商業高校を卒業後、郵政省に入省。
地元の郵便局で勤務後、熊本にある九州支社に単身赴任。
地元に貢献できる仕事がしたいと兼ねてより考えていた折、熊本地震に被災。
その後、一念発起し2016年8月に退職し「株式会社しまばら創生」を設立。
現在、農業および農産加工品の製造を行い、多忙ではあるが充実した日々を送っている。

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