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アサミーのこんな曲お届けしました☆(第4回 JAZZ編)

みなさんこんにちは。
第4回となります「アサミーのこんな曲お届けしました」。
このコーナーでは音楽大好きアサミーが自身の担当番組「WALK INしまばら」でお届けしたナンバーの中から、テーマに沿って3枚のCDをピックアップ&クローズアップして紹介いたします。
番組と共にお楽しみくださいね。

4回目となる今回のテーマは「JAZZ」。
ジャズってなんだか難しそう・・・知識がないと楽しめないんじゃない?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。でも、大丈夫です!
20代のころ「お金がなくてCDたくさん買えないな~・・・できれば何度聴いても飽きない1枚が欲しいな~」。
そんな動機でジャズを聴き始めたアサミーが、普段ジャズに馴染みのない方でも聴きやすく楽しめる名盤を3枚ご紹介します!

BILL EVANS 「WALTZ FOR DEBBY」

まずはビルエヴァンスの代表作。
ビルエヴァンスといえばモダンジャズを代表するピアニストの一人で、1929年にアメリカニューヨークで生まれました。
なんと言っても彼の魅力は透明感のあるロマンチックなタッチでしょう。わたしは初めて彼のプレイを聴いたとき、まるでモネの水彩画のようだと感じました。ジャズファンの中では彼のプレイを女性向けだと評する人もいるようです。
もちろん甘く優美な曲だけを選んで弾くわけではなく、あらゆるスタンダード楽曲を演奏するのですが、彼自身、ドビュッシーやラヴェルなどクラシック音楽の影響を強く受けていました。
このアルバムの表題曲「WALTZ FOR DEBBY」を聴いてドビュッシー「月の光」やラヴェル「水の戯れ」のような、クラシックのピアノ曲を思う方も少なくないでしょう。
6歳からピアノを、7歳からヴァイオリン、13歳からフルートを習い音楽学校に進学した彼の土壌は確かにクラシック畑。
難解な曲も弾きこなし、周囲からも期待されて育ったビルですが、ジャズの魅力にとりつかれ独学で勉強を始めます。将来が約束されていたと言っても過言ではないクラシックの畑を飛び出した、ジャズへの情熱が、どこまでも甘く繊細な彼の演奏に現れています。
夜、眠る前や恋人とのディナーのときなど甘いひと時を彩ってくれますよ。
ちなみにこちら表題曲がTake1,2と2パターン収録されていますが個人的なお勧めはTake1。これぞビルエヴァンス!という響きが楽しめます。

OSCAR PETERSON 「THE BEST OF OSCAR PETERSON」

続いて紹介するのはオスカーピーターソンのベスト盤です。
1925年生まれ、カナダモントリオール出身の彼は、ジャズ界きっての超絶技巧のピアニストと言われています。
ピアノの鍵盤88鍵を余すことなく使いこなし、流れるようなダイナミックのアドリブで彩られたそのプレイはどこまでも明るくポップです。
また、強くクリアなタッチで紡ぎ出される音色は、鍵盤がまるで彼の意思で動いているかの如くミスタッチがありません。
ビルエヴァンスのプレイと聴き比べると特に、その明快さが際立ちます。
「MY FUNNY VALANTINE」や「LOVE FOR SALE」のようなしっとりとしたムーディな曲でさえも、彼の手にかかればダイナミックで心地よいスウィングに包まれるのです。
個人的にぜひ聴いていただきたいのが「Tonight」。ミュージカル「ウエストサイド物語」の中に登場する楽曲です。有名なナンバーですね。
大胆でチャーミングにアレンジされたこちら、ごくシンプルな構成ながら、彼らしい粒のそろった流麗なアドリブとこれぞオスカーピーターソン!というハッピーな曲想を楽しめます。
コアなジャズファンは彼のプレイスタイルを公務員的だと揶揄することもありますが、この迷いのないアドリブとそのテクニック、単純に楽しめないなんて損ですよ。
スウィングと駆け巡るアドリブメロディに心地よく振り回されてくださいね。

ELLA FITZGERALD 「Mack The Knife ELLA in BELLIN」

最後に紹介する一枚はビリーホリディ、サラヴォーンと並び賞される歌姫・エラフィッツジェラルドの名盤です。
1917年にアメリカで生まれたエラの幼少期は彼女のチャーミングでパワフルな歌声からは想像もできない壮絶なものでした。
14歳で母親が急死し孤児となり、少年院に何度も送られながらホームレス生活を余儀なくされます。
そんな彼女が初めて公の場で歌声を披露したのが17歳のとき。ニューヨークハーレムのホールで開かれたアマチュアコンテストがきっかけで歌手活動を開始します。まさに人生を切り開いた歌声の持ち主なんですね。
このアルバム収録曲で特にお聴きいただきたいのはなんと言っても「How High The Moon」。わたしはこれよりも迫力のあるスキャットを他に聴いたことがありません。
”スキャット”とは意味を持たない音をメロディに合わせて即興的に歌うこと。もともと用意されたメロディではなく、その場でアドリブとして紡ぎ出されるものです。
この、エラのアドリブを初めて聴いたときには「人間ってこんなことができるんだ!」という単純な驚きに包まれ、また聴きたくなり、聴けば聴くほどその声の虜になり・・・いつしかそのテクニックに魅せられているのではないことに気がつきました。
そうなんです、エラの声はごくシンプルなメロディをのんびりと辿ったとしても美しい。深く柔らかくどこまでも女性的なそのボーカルは超人間的なテクニックだけではない魅力に溢れています。
実際、このアドリブの中でエラは想像を絶する音階をハイスピードで飛び回るのですが終始余裕に包まれた笑顔を見せていたのであろう、と思えるのです。ドヤ顔や必死の形相ではなく、あくまでも楽しんでいる。歌うことで人生を切り開いたエラの歌声はまるで「歌うことがこの世で一番気持ちいい!」と言われているような気持ちになりますよ。
13度のグラミー賞受賞、3つの大学から名誉博士号を、ブッシュ元大統領からは大統領自由勲章を授与されたエラは「Lady Ella」「The First Lady of Song」と称されています。
その歌声を楽しむ取っ掛かりにぴったりの「How High The Moon」が収録されたこのアルバム、何年経っても聴くたびに拍手を送りたくなるような感動に包まれますよ。

それでは今回はこの辺で!
毎週月曜・火曜・金曜の午後2時からは、アサミーが楽しい音楽と共にホッと一息つけるような話題をお届けしてまいります。今後もFMしまばら「WALK INしまばら」を、どうぞお楽しみに!

autherアサミーauther:アサミー
静岡県浜松市出身。2015年FMしまばら入局。
3歳からピアノ、14歳から声楽を習いクラシックを学ぶかたわらロック、ファンク、ジャズ、プログレからアイドル、懐メロまでなんでも嗜む雑食系音楽好き。
趣味はひとりカラオケ。現在「みついのきっちりキッチン」「WALK IN しまばら」を担当中。

過去の記事はこちら。
「第3回80年代生まれの男性アーティスト編」
「第2回コラボレーション編」
「第1回ピアノ編」

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