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元気企業『有限会社林田観光バス』

”運送事業で半島を活性化したい”自動車経営のプロを目指す

設立が1993年(平成5)と老舗会社も多い島原市内では比較的若い部類に入る会社だが社内は活気に満ちている。
現在、同社グループは主に観光バス事業を行う“(有)林田観光バス”と貨物運送事業を担当する“(有)林田運送”の2社に分かれているが、従業員もそれぞれ17名と20名の総合運送会社に成長している。
「観光バス(マイクロバス含む)が本社に17台、福岡営業所に6台、また運送用のトラックは計29台と現在では全部で50台を超える車両になりましたが、多分半島では島鉄に次ぐ規模かも知れません」(林田社長)というのもうなずける。
その成長を裏付けるように、林田社長の“クルマ”に関する経歴もプロフェッショナルそのものだ。
生来のメカ好きから島原工高の機械科に進学、卒業と同時に地元の三菱自販に就職した。
そこで自動車修理の資格を取得し、当初は修理部門で腕を磨いた。
「その後、14年間にわたって営業も担当しそこで乗用車から軽自動車まで一手に販売も経験した」(林田社長)が、営業部門でも常に社内のトップとしてお客様の信頼も厚かったという。

念願の会社を設立

車の修理からトップ営業としての顧客折衝まで“クルマ”に関しての専門的な業務をほとんど全て経験した後、平成4年2月に同社を退職。
1年間の準備期間を経て翌年3月、満を持して現在の会社を設立した。
そのためもあって、業務は観光バス事業と運送事業だけにとどまらず自動車の販売から分解整備事業まで幅広く手掛けており、運送事業者として他社にない幅の広さと奥行きを備えている。
しかし、扱う対象が精密機械の車だけに様々な苦労も経験したという。
例えば平成5年に取得した観光バスの事業免許。
2種免許取得の運転手の確保なども含め、何と事業免許の取得までには13年もかかったという。
林田社長の熱意と忍耐、努力のたまものといえるだろう。
自身が思い立っても、そこには行政のカベなどが幾重にも立ちはだかっている車業界だけに、多くの業種のなかでも許認可には特に厳しい面もあるようだ。
その観光バス事業だが、現在は地元長崎県と同社の営業所がある福岡県の2県の営業免許を取得しており、その営業区域は九州管内にまで及ぶという。
「ご利用いただくお客様は当然半島にお住まいの方々が多いんですが、今後は更なる半島活性化のためにももっと県外からのお客様の受け入れを増やしていきたい」(林田社長)と意欲的。
ちなみに同社グループ全体の売り上げの6割近くはこの観光バス事業が占めるという。

さらなる発展を目指し事業も多角化へ

もう一方の主力部門である運送事業は、以前までのように全国対象と地域限定事業の区分が廃止されたのにともない現在では営業区域の制限はなくなった。
業界ではインターネット通販の拡大などもあってトラック輸送の需要そのものは堅調だが、「今はどこもそうですが、やはり当社でも運転手の確保には苦労しています」(林田社長)という。
特に40歳未満の若手クラスの運転手確保と最近の燃料費高騰への対処は、同社でも大きな悩みとか。
このような“逆風”にもめげず同社の事業意欲は軒高だ。
既に、同社では高齢化が進む半島の実情にあわせ高齢者のための介護タクシー2台も活躍中。
通院や転院などのために重要も多いという。
また、近々にはタクシー事業にも参入したいという。

林田社長の頭の中には、次々と半島活性化のためのビジネスプランが湧いているようだが、「将来的には島鉄さんなどとも協力して島原半島観光の周遊コースの運行なども行ってみたい」(林田社長)と希望はふくらむ。
ちなみに、昨年9月から島原市内でスタートした大久保嘉人サッカー塾「ベトレーセ」を主宰するJリーガー大久保嘉人さんの奥様は林田社長の姪にあたるとのこと。
昨年まで2年連続の得点王に輝いた大久保選手のように、今後の同社の活躍はますます期待を抱かせるに十分だ。

有限会社林田観光バス
[島原市本町甲186-1]

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