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スクール最前線「雲仙市立雲仙小学校」

観光ガイドは「雲仙っ子」にお任せ!!

島原半島のシンボル、お山「雲仙」。
昭和9(1934)年、瀬戸内海、霧島とともに日本で初めての国立公園に指定され、県内でも有数の観光地として全国的な知名度も高い。
平成26年には指定から80周年を迎えた。
また同公園を“核”として設置された「島原半島ジオパーク」は21年に「世界ジオパーク」に認定され、島原半島の観光を支える新たな観光資源として改めて注目を集めている。
そんな自然豊かな観光地に校舎を構えるのが雲仙市立雲仙小学校だ。

雲仙小には現在、28名の児童が在籍。
小規模校だからこそ、学年に関係なく和気あいあいとした雰囲気で学校生活を送っている。
同校は全教育課程を通じ「ふるさと雲仙教育」を推進。
ふるさとの良さを学び、ふるさとを愛し、自然環境の保護とふるさとの発展に主体的に取り組む児童の育成を目的としている。

その一つが「雲仙こども観光ガイド」。
この活動は40年ほど前から取り組まれており、現在は高学年の総合的学習の時間に実施。
春と秋の観光シーズンの年2回、雲仙温泉を代表する観光ガイドとして、実際に訪れた観光客を相手に自分たちの街の紹介を行っている。
児童たちはそれぞれ興味のある分野(グルメ、自然、雲仙地獄など)を選択し、自らも実際に観光地に足を運んで、地域の人の協力も得ながら知識を深めている。
この活動を通じ、ふだん生活している街の良さを再認識するとともに、多くの地域住民、観光客との交流により見聞を広め、さらにはコミュニケーション能力の向上にもつなげている。

雲仙は四季折々、季節に応じた様々な姿で私たちの目を楽しませてくれる。
同校では実際にその変化を全身で感じて欲しい!という強い思いから、天候に関係なく毎日徒歩での登下校を推奨し、児童たちは実践している。
その際、「雲仙散歩の会」の会員が登下校の時間になると通学路に立ち、子どもたちの安全を見守っている。
ここに家庭・学校・地域が三位一体となり子どもたちを育てていく地域の特色が強く表れているのだ。

以上のように、雲仙小の児童は「観光地」という地域の特色を十分に活かした教育カリキュラムのもと、豊かな自然に触れ、多くの人々との交流を通じながら感受性豊かな人間性を育んでいる、と言える。
現在、観光客の減少など多くの問題を抱えている雲仙だが、近い将来、彼らの活躍により活気溢れる姿を取り戻す日もそう遠くはないであろう。

雲仙市立雲仙小学校
(雲仙市小浜町雲仙386)

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