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OPINION「南島原市国際交流員 ディシェンツァ・フランチェスカ」

450年前から故郷と繋がっている島原半島は魅力がいっぱい

「ブォンジョールノ!」。
南島原市の国際交流員として働いているフランチェスカ(フランチ)です。
生まれはスイス南部のロカルノ市。
景勝地としても知られる近くのマッジョーレ湖は国境を介してイタリアとも隣接しています。

2才までロカルノ市で育ちましたが、その後19才まではイタリアのペルージャで育ちました。
大学はドイツに行って大学院卒業までの6年間は日本学科大学で日本語を学びました。
日本語を学ぼうと思ったきっかけは最初に通っていたドイツ語学校で日本人と知り合ったことでしたが、6年間日本語を学んだおかげで日本語能力検定1級の資格も取得し、今では日本語での会話はもちろん漢字の文章の読み書きもOKです。

日本に留学した経験もあります。
期間は短かったんですが、同志社大と関西外語大でもそれぞれ半年と1年ほど学びました。
あちらこちらと国を行き来したので、今では母国のイタリア語や日本語の他にドイツ語や英語も話せます。

国際交流員になったきっかけは、日本の外務省などが推進するJETプログラム(語学指導などを行う外国青年招致事業)を現地の日本大使館が募集していたことです。
試験や面接を経て採用され、現在イタリアからは私を含め3名が日本の各地で活躍しています。

南島原市に国際交流員として赴任したのは2012年8月で、契約を更新し現在は3年目になります。
主な仕事は通訳や翻訳、保育園や小中学校の訪問、地域イベントへの参加など海外と日本の架け橋として市民との交流を深めることです。

こちらに来て最も印象深く感じたのは海と山がある美しい風景ですね。
私自身は海や火山のある地域に住むのは初めての経験ですが、出勤時に車で走る海岸沿いの道からはキラキラ陽光に輝く海や身近にそびえたつ雲仙普賢岳の山並みも見えて本当にきれいです。

季節の折々に咲く花にも心が癒されるし近くにある棚田も美しいですね。
イタリアにも田んぼはありますが棚田はありません。
よく写真も撮りますが、すばらしい環境で被写体には事欠きませんね。

南島原市の人たちは皆さん明るく親切です。
音楽、歴史文化、スポーツなどいろいろなイベントも開催され、どこに行っても心温かく歓迎していただけるし家族のような親近感があります。
私の故郷のイタリアの人たちも明るいですが、キリスト教と貿易のおかげで450年以上も前からこの地がヨーロッパと繋がっているということは本当にすばらしい。
今後もずっとこの関係をつないでいきたいと思っています。

実際に暮らしてみて楽しいことはいっぱいありますが、国際化を迎えた今日改善して欲しいこともあります。
その一つが若者がもっと地元に定着できるような取組です。
お洒落なカフェやバー、映画館など若者が楽しめるような施設ももっともっと作って欲しいですね。
また、地元の美味しい山海の食材を楽しめる場ももっと提供して欲しいですね。
現在は、ほとんどが大消費地向けに出荷され地元にあまり還元されていないことは残念です。
それから、これらの食材を提供するレストランや飲食店なども今後は世界を視野にもう少しお洒落に気を遣ってみたらどうでしょうか。
店自体はシンプルやラフでも構わないのですが、看板や店内のイメージアップのためにもうちょっと気を遣って観光客の人達が入り易いような工夫を施すことも必要でしょうね。
この辺はイタリアの田舎の洒落た店なども参考になるかも知れません。
このように、せっかく素晴らしい自然環境に恵まれている地域なのですから移動手段も車だけではなく、ゆっくり歩いたり散策ができるコースや自転車専用道も備えたらどうでしょう。
環境問題への配慮にもなり、そうなれば半島全体がさらに人気を呼ぶと思います。

せっかく日本に来たのですから、私はこの間に何にでもチャレンジしてみようと思っています。
現在は好きな音楽活動以外にも月曜日は居合道の練習、火曜日はトレーニングジム通い、水曜日は和太鼓、金曜日は弓道、土曜日はよさこいクラブでの練習とほぼ毎日趣味の教室に通っています。
しかも、このような楽しみにもほぼすべて無料で参加できることも気に入っています。

この他、木曜日には地元の人たちにイタリア語講座を行っています。
これは南島原市に来てから毎年、前期・後期の2回(各5回開催)行っているもので毎回20数名の受講者がいます。
こういった活動が今後も日本とイタリアの交流の基盤となり、両国の架け橋になれば良いなと思っています。

 

オピニオンプロフィール

Francesca Discenza(ディシェンツァ・フランチェスカ)
1986年、スイスのティチーノ州ロカルノ市生まれ。
その後、19才まで暮らしたイタリアのペルージャは古い歴史をもつ大学町で付近にはアッシジなどの観光地もある。かって、元プロサッカー選手・中田英寿が所属したチームの本拠地としても有名。ヨーロッパ出身らしくスイス、イタリア、ドイツと多国間での活動も多いが東洋では日本が初めての体験。イタリア人らしく性格は陽気で活発だが、一面では音楽や伝統文化・自然環境などにも幅広く興味を持ち自身でも活動を行っている。

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