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元気企業『日進グループ』

土木建設から介護福祉、ホテル、コンビニまで?“総合生活産業” 企業をめざす

半島を代表する企業グループだ。
創業時の土木建設業をスタートに現在は大きな柱に育った介護福祉事業、ホテル事業を軸に不動産賃貸事業、歯科や整骨院の医療事業、コンビニエンスストア経営などまで幅広い事業を展開している。
グループの総社員数も300名、今や県内でも有数の企業グループに成長している。
創業の建設業もそうだが、2000年の介護保険法施行後に㈱日進開発を設立し進出した介護福祉事業では、あんしんハウス島原の2館を始めくにみの里、庄司屋敷を運営。
さらに年間3万食に及ぶ高齢者用宅配弁当の提供など、公共の役に立つ“公器”として「住まい、暮しの便利屋」を目ざす日進グループの存在感はますます高まっている。

1代で総合企業を築く

日進グループの原点は現代表の下田幸廣氏が建設業の経営を引き継いだ1980年(昭和55)にさかのぼる。
それまでは学校卒業後に大手繊維メーカー(静岡県)に勤めていたが、ご尊父が体調を崩されたため急遽島原に戻り地元の建設会社に勤めた。
そこでの働きぶりが認められ、当時、後継者がいなかった川田建設工業(有)の川田為義社長から会社引き継ぎの要請を受けた。
28歳という若さもあって当初は躊躇したが、結局一切の権益なしで社名だけを引き継ぐ形で新しく会社を発足した。
「資金なし社員なしで引き継いだその日から1年364日、毎日4時間の睡眠で先頭に立って52歳まで現場で働き続けました」(下田代表)というから驚く。
しかし、不思議と苦労した思いは無いという。
当初は本社のある深江地域で土木建設などを主に事業を行っていたが、転機が訪れたのはなんと雲仙・普賢岳の噴火災害。
当初、この影響で仕事が大幅に落ち込んだというが、これを契機に営業エリアを広げコストパフォーマンスに優れた避難住宅の建築を手がけた。
「ライバルよりも優れた品質の製品をライバルよりも廉価で」(下田代表)という営業姿勢が受け入れられ、これが以後の発展と介護福祉事業へつながる事業基盤作りに役立ったという。
建設事業はいわゆる“ゼネコン”として、戸建て住宅やマンション、公共施設の建設から道路整備などまで多岐にわたるが、特に住宅分野では太陽光発電システムやオール電化を採用した経済的で環境にやさしい木造注文住宅が好評だ。

HOTEL シーサイド島原の新館がオープン

土木建設、介護福祉事業に続くもうひとつの大きな柱がホテル事業だ。
平成24年に島原外港を望む絶景の地に“楽しい”“便利”“美味しい”を基本方針にオープンした「HOTELシーサイド島原」は周りの景観に加え、食・温泉・おもてなしのサービスが好評。
リーズナブルな料金設定とも相まって一躍市内の人気スポットとなった。
「ここを島原観光の拠点にしたい」(下田代表)というほど今後の成長性が期待されているが、本年4月25日には多目的ルームやキッズルーム、トレーニングジム、展望大浴場などを完備した6階建ての新館もグランドオープンする。
「家族で1日居てもあきない」というから、島原観光の拠点づくりにまた強力な施設が加わることになる。
このような同社グループ事業のバックボーンとなっているのは「現場力」。
何事も事業の現場を優先し大切にする精神だ。
お客様を第1に考え、お客様に見えない所まで常に目配り気配りを欠かさない。
そのため「日々、担当者が集まってミーティングを行い問題点の把握と改善に努めている」(下田代表)など指導も徹底しているという。

 

“売り手と買い手、世間の3者が満足するべし”という有名な近江商人の商売心得「三方よし」の精神が経営の隅々にまで徹底されている同グループだけに、“社員各人が代表者”の心構えで事業が展開されている。
代表自らが「会社は教育機関。
私が、かつて勤務していた会社での5年間はビジネスだけでなく社会勉強にも本当に役立った」と述懐するだけに、グループの社員全員もプロの自覚を持って日々の職務を遂行している。
そのため、毎日上がってくるグループ26業種の決算内容も社員に全て公開し、経営意識を共有するために年に1回の決算時には全社員を対象に決算説明会も行っているという。
混迷を深めている現在の経済情勢を「高度成長時代を満ち潮の時代とすれば、今は引き潮の時代」と看破する下田代表だが、「こういう時代こそはビジネスに限らず自身の生活でも生き方、暮らし方をキチンと見つめ直し物事の基本と基礎をしっかり見極めることが大切」という。
苦労を重ね今日を築いた代表ならではの重みのある言葉だ。

日進グループ
[島原市下折橋町3789]

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