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元気企業『株式会社落水正商店』

完全無添加のオリジナルブランド“太陽卵”で食通を席捲

畜産が盛んな島原半島にあって鶏卵の生産では県下でもトップクラスの実績を誇る老舗企業だ。
創業は1946年(昭和21)、以来“鶏卵一筋”に70年の歴史を育んでいる。
当初は鶏卵の卸を主に事業を行っていたが、創業者である先代の落水正社長の品質への強い思い入れもあって1983年(昭和58)に自前の養鶏場をもつことを決意。
以来30年余にわたって独自の飼育法と配合飼料にこだわった養鶏を展開している。
先代が自前の養鶏にこだわった背景には、以前に経験した“庭先で飼っていた鶏が産んだおいしい卵”へのこだわりがあったからという。

高品質卵へのこだわりが信頼を生む

独自の養鶏農場を展開するにあたっては先代自ら養鶏先進国の米国を視察、そこで得た多くの知識がベースになっているという。
その一つが高床式の開放鶏舎だ。
従来、良いとされていた放し飼い方式では鶏が自然界の害虫なども一緒に食べてしまうので、これが卵の品質にも影響するというもの。
加えて、「飼料によって卵の価格は変わる」(落水部長)といわれるほど重要な飼料についても、同社では飼料メーカーと共同で研究を重ね30種以上という自然由来の高級素材を配合した独自の飼料を使っている。
新鮮な多良岳と普賢岳山系の湧水と併せこれらが高品質の太陽卵を産み出す源となっている。
そのオリジナルブランドの“太陽卵”は、このような品質へのこだわりから自然の恵みを連想して名付けられたものだ。
もちろん栄養も満点。
“若返りのビタミン”といわれるビタミンEの含有量は一般の卵の約10倍(13.70mg)、またコレステロールの値も他の卵と比べて少ないという。
“高品質の卵は健康と美容を創るもと”とも言われるだけに、品質の良い卵の摂取は我々の生活に大きな影響をもたらすのだ。
“卵かけごはんがお薦め”という同社のフレーズは自信の表れだろう。
当初、大村市の千綿からスタートした同社の農場は現在、諫早、国見、島原の計4ヵ所に拡大、そこで、20万羽ものポリスブラウンを主とした鶏が飼育されている。
ポリスブラウンは薄茶色の“赤玉”の卵で知られ、現在では養鶏の主流となっている鶏だが導入当時は長崎県では初めてだったという。
“20万羽を超える社員(鶏)が私たちの財産”と言い切るほど、たまご一個一個に愛情と真心を込める同社の従業員は現在約80名。
出荷のほとんどは県内向けが占めている。

搬入から出荷まで人手を介さない完全自動化を実現

一同社では今年4月に愛野本社に隣接して新たに小売りショップ“花たまご”を開設した。
ここでは、採れたての新鮮な太陽卵を使ったロールケーキやプリンなどのスイーツ類なども作っており連日女性客を中心に多くのお客様で賑わっている。
また同社の商品はインターネットでの販売もおこなっており、現在その商品点数は約100種にも及ぶというから、ひと口に卵といっても商品化のバリエーションは極めて豊富だ。
鮮度が命の卵は温度管理が大切だ。
「10°Cでの保管がベター」(落水部長)といわれるだけに工場内は空調も完備、採れた翌日の迅速出荷を原則としている。
また、「年末年始の需要期には一日に20トンを出荷する」(落水部長)というだけに鮮度と衛生管理には十分な注意を払っている。
そのため、同社では他社に先駆け最新鋭のHACCP(食品製造工程上の品質管理システム)対応型GPセンターを設立、3ヵ所の農場から毎日回収される太陽卵の商品搬入以降は、洗卵・殺菌・乾燥から検卵、選別、包装、梱包など全てのプロセスを全面機械化し一貫処理を実現している。
なかでも鮮度管理は特に厳しく、処理の過程でたまご一個一個に直接、賞味期限と農場番号を印字するなど生産から消費段階まで追跡もできるようになっている。
ここまでくると、同社の養鶏ビジネスはもはや“装置産業”としてとらえるべきかも知れない。
それほどに飼料の自社開発から検品、出荷処理まで機械化が進んでいるのだ。
まさに先代社長の意志を引き継いだ、現社長の思い入れが今に実を結んでいるといえよう。

落水部長(左)を囲んで 小売りショップ外観 近代的なGPセンター内

株式会社落水正商店
[雲仙市愛野町乙5287-1]

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