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スクール最前線「長崎県立島原商業高等学校」

伝統の「自他一如」の精神!!社会で即戦力となる人材育成とは?

島原城のお膝元。
春になると周囲を美しい桜並木に囲まれ、観光客をはじめ多くの市民の目を楽しませてくれる。
そんな城下町の中心部、市内でも最高の立地に校舎を構えるのが長崎県立島原商業高等学校(愛称・島商)だ。
昭和初期には旧制島原中学校の商業科、家庭科として位置付けられていたが、31年に分離・独立。
平成28年には創立60周年を迎える。
島商独自の校風は今でもしっかりと全在校生に引き継がれている。

創立当初からの伝統行事が「全生寮」。
クラス単位で行われる、校舎敷地内にある寮での4泊5日の集団生活のことで、入学したての1年生が対象。
ここでの集団活動を通じ、上級生から厳しさの中にも愛情溢れる熱い指導を受け「島商魂」をみっちりと叩き込まれる。
こうして「自他一如」の精神を養い、真の島商生としての第一歩を踏み出すのである。

島商には商業科・情報処理科・家政科の3つの学科がある。
多くの生徒が自分の将来のビジョンをしっかりと描き学校生活を送っているので、日々の学習や資格取得にと自己研鑽に余念がない。
日商簿記2級や基本情報技術者など各種資格試験で多数の合格者を出す一方で、「第4回全国子どものための愛情弁当コンテスト全国大会」(平成26年度)では、安達千尋さんが厚生労働大臣賞を受賞した。
このような日々の努力は県内外の多くの企業から高く評価され、未曽有の大不況の中にありながらも、就職率・進学率ともに100%の実績を残すなど実践教育の成果は着実に上がっている。
島商には商業高校ならではのユニークなイベントがある。
その一つが、商業科3年生が最後の実習として行っている「島商ップ」。
11年前から行っている商店街の空き店舗を活用した販売実習で、毎年9~12月の火・土曜日に実施。
商品の棚卸から販売まで全ての業務を生徒だけで行う。
この実習を通じ、経済産業省が提唱している社会で求められる力Action(前に進む力)Thinking(考え抜く力)Teamwork(チームで働く力)を育み、教科書からは学べない、実際の経済の仕組み、社会の厳しさを認識させることを目的としている。
多くのマスコミに取り上げられたこともあり、市民の認知度も徐々に上昇。
今では毎年楽しみにしているリピーターもいるほどで、商店街の活性化にもつながっている。

島商は部活動が盛んな学校でもある。
旧制中学以来の「文武両道」の精神のもと、全校生徒が何らかの部活動に所属。
特に伝統のサッカー部は、あの闘将・小嶺忠敏監督を輩出し全国制覇の経験もある。
また県内の公立高校で最初に女子サッカー部を作ったのも同校。
「サッカー大国島原」の元を築き上げたのが島商サッカー部だと言っても決して過言ではない。
またサッカー部以外でも、昨年は弓道部・荒木也実さんがインターハイに出場するなど、国体開催県だったこともあり県内外から多くの注目を集めた。
文化部では、商業部が島原雲仙かまぼこ組合と共同開発した「かまポテト」が「第47回長崎県高等学校生徒商業研究発表会」で最優秀賞を受賞し、九州大会出場を果たした。
現在も島原半島の地元特産品が一堂に集う「ジオ・マルシェ」に生徒自らが出店して対面販売を行うなど、市民をはじめ多くの来場者から好評を博している。

島商では卒業後の社会で「即戦力」となるような生徒の育成に力を入れている。
ここでは紹介しきれなかったが、授業に多くの「実習」を取り入れ、多くの市民と交流を重ねるとともに、地元経済活性化の一役を担っているのである。
今後もこうした島商生の積極果敢な活動が、商店街に元気を取り戻す大きなキッカケとなることを心から願うばかりだ。

 

H2610周年オープニング 校舎全景 女子サッカー4

 

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